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45年前 [バイク]

昨日、ブログを書いていて昔、北海道に旅行した際に知床の羅臼でトド肉を食べた際にもらった【証明書】を探していました。

昔のアルバムをひっくり返して見ていたのですが、ついつい、昔のバイククラブの仲間と撮った写真が気になり手元に抜き取って置いておきました。

そこに書かれているものを見ると1965年前後の写真です。
一番懐かしかったのは、MVアグスタ750Sの写真。

ある日、同じクラブ員の仲間とクラブの会長の工場に遊びに行きました。
すると工場の前の橋の上に、見慣れない綺麗なバイクが、すると会長が
「丁度いいところに来た。今、新車整備が上がったところだから、テストコースに行って試乗して来い。」
とのこと。
でも、その我々の目の前にある真新しいバイクはバイク雑誌の最新号の巻頭を飾っていたものと判りました。
価格は当時、話題になっていたトヨタ2000GTとほぼ同じもの。
当時の大卒の初任給が8〜9万円の時代ですからね。
転倒でもしようものなら、これから先、何年もバイトした金がその修理代に流れることになる!という緊張感。
ちなみに、当時、DUCATI 750Sの新車が75万円程度、一番高いBMW R75/5が90万円程度でしたが、MVアグスタは確か230万円くらいの値付けでした。

これは、クラブの会長がドラム缶2個に入っていたビンセント・ブラックシャドーを複製した記事を読んだ社長さんが個人輸入したものの整備を依頼して来たもの。

この後もその社長さんが持ち込んだと思われるエグリのアルミ・フレームやリックマンのトラ用8バルブ・エンジンなと見たことがないものが次々と工場に置かれるようになりました。

そんな大変な代物を目の前に躊躇していると、良いから早く慣らしして来い!とのことで、裏山に向かいました。

そう、前述のテストコースとは当時、工場の裏山は宅地造成が進んでいたのですが何年も放置状態で、道だけが完成した状態でした。
そこで、誰も走らないこの道を我々はテストコースと読んでいたのです。

MVアグスタ750Sですがクランク・マスが非常に軽い感じでアイドリングからアクセルを捻るとヒュンヒュンと軽く吹け上がり、クラッチミートを慎重にしないとすぐにエンストするんじゃないかと思えるような雰囲気。
でも、実際はクラッチミートはそれほど神経質ではなく、若干、気を使えばエンストすることはありませんでした。

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それからアクセルを開けていくと、これが快感!!!
クォーンとその排気量からは絶対的なキャパシティーが足りていないと思われる細いマフラーから管楽器を思わせる良い音を奏でながらエンジンが吹き上がっていきます。

とはいっても普段乗っている当時50馬力前後のトライアンフと比較しても怖くないほどの出力というかトルクが細いので、じっくり音を聞く余裕がありました。

後は、チェンジペダルも後輪ブレーキも確認しないとエキパイを踏んでしまい操作をミスる程の大雑把な配置。
それに全然、コーナーで寝ないし寝かそうと思うとまだ寝ていないのに【チッ】という音でエキパイのバンドが何かが路面を剃ってしまう。

巨大なツーリーディングの両面ブレーキは、全く当たりが付いていないためかその制動力は???

とにかく、金額が頭を占めているのでヤバいことは出来ない。

と、いうことで短時間でしたが貴重な体験をさせてもらいました。
でも、あの4気筒の澄み切った排気音は官能的でした。
よく四輪でも排気音から作り込んでいくみたいな都市伝説がありますが、イタリア車は官能的ですよね。
当時のDUCATIの750SSのコンティ・マフラーから飛び出す、破裂音。
MOTO GUZZIのV7 Sportsのラフランコーニから出る十分に消音されているのに重量感のある独特なまろ味のある乾いた低音。
今、音を味わうんだったら十分に静かなグッチの音だな。


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